リスティング広告との相性が悪い商材ってなにがあるの?
リスティング広告は、WEBマーケティングのさまざまな広告手段の中で最も費用対効果が良い手法と言われています。比較的低予算から気軽に始められるというメリットもあり、「まずはリスティング広告から」という企業がほとんどです。
まさにWEB広告サービスの定番中の定番ともいえるリスティング広告ですが、商材によっては効果に大きな差があることを覚えておいたほうが良いかもしれません。
今回は、リスティング広告と相性の良い商材・悪い商材と、相性が悪い場合の改善ポイントについていくつかご紹介します。
目次
興味を持たれている商材はリスティング広告と相性が良い
リスティング広告は、ニーズを持って検索するユーザーがいて初めて需要と供給が成り立つ広告です。つまり、商材と関連性の高いキーワードの検索数が多ければ多いほど相性が良く、そこに競合が少なければなお良いということになります。
リスティング広告向きの商材が持つ3つのポイント
- ブランド力があり、商品認知度が高い商材
- ニーズの高い(検索数が多い)ジャンル商品で、他社との優位性もある商材
- 利益率が高く、リピートが見込める商材
リスティング広告で獲得が見込める商材やサービスとは、まず一番には「ブランド(商品)名検索数が多い商材」です。ブランドや商材の認知度とニーズが高く、その商材を求めて検索するキーワードは、いわゆる独占市場です。こうしたキーワードで検索をするユーザーが多ければ多いほど、リスティング広告で獲得も見込めます。
では、逆にリスティング広告と相性の悪い商材とは、簡単にいってしまえば上記の反対パターンに該当する商材です。改善するべきポイントとあわせて、ひとつずつ解説していきます。
リスティング広告との相性が悪い商材
ブランド力が弱く、競合が多い
自社ブランド名や商品名の検索数が少なく、しかも類似する商品を扱う競合他社が多い場合、リスティング広告での獲得は厳しい状況です。例えば「青汁」などは大手企業に競合が多く、独自のブランド名での獲得効率をいかに良くするかがキーポイントです。ブランド名以外では、例えば「青汁」「青汁 通販」などが入札対象になるわけですが、これらは大手企業の入札によって単価は高騰しており、費用対効果を求めて出稿することが非常に難しくなります。
この場合、間接的に知名度を上げ、ブランド名の検索数を増やすための施策を行うのが得策です。コンテンツマーケティングも手段の1つだと言えます。リスティング広告単体では獲得が難しいため、アフィリエイトサービスやブログなど、ユーザーの目に触れる機会を増やす施策も並行して実施していきましょう。
全く同じ商品が他社サイトにもあり、優位性がない
Amazonや楽天、最近ではネットスーパーも登場し、ネット通販は大変便利になりました。そのため、全体としてのニーズは増えているものの、同じ商品を扱う企業が他にも多く存在しています。例えば「ペットフード」や「飲料水」など、全く同じブランド商品があちこちで販売されているのであれば、検索ユーザーは他社との比較をし、検討の末に優位性があるサイトで購入に至ります。他社との優位性がなければ、クリックコストだけがかさんでしまう事態に陥るわけです。
同じブランド名や商品名キーワードでの検索結果に表示される競合他社の調査は必須です。特に、販売価格における優位性はユーザーにとってかなり効果的な要素です。自社の販売価格が他社よりも安いのか高いのか、高いのであればその納得できる理由を明確に伝える内容を添えましょう。
また、こうした商材は、リアル店舗でもWEB上でも購入できる商品が多く該当します。敢えてWEBで買うユーザーは、何を求めてきているのかを考えてみましょう。まとめ買いや送料・手数料などのお得感、あるいはおまけやポイントの特典をつけるなど、ユーザーの比較材料に優位性を持たせられるよう売り方の工夫が必要です。
利益率が低く、リピート購入を期待できない
例えば1,000円未満の商品で、しかも利益率が低い商品はリスティング広告との相性が良くありません。CV1件ごとに利益を確保しなければならず、許容できる獲得単価(CPA)の金額設定が低くなりすぎてしまう場合、運用戦略にも限界が出てきてしまいます。
こういう場合は、商品のまとめ売り、もしくはリピート施策に繋がるセット商品をあわせて販売するなど、販売方法の工夫が必要になってきます。リピート施策ができるようになれば、LTVを見込んだ先行投資型で新規顧客の獲得をするためのリスティング広告と位置づけ、目標CPAの設定も回収期間に応じた許容を持たせることが可能になります。
知名度の低いサービス・ジャンル・商品
リスティング広告はユーザーの検索キーワードに連動して表示されるため、一般的に広く認知されていない商品ジャンルやサービス名の場合、そもそも広告表示自体の機会を増やすことが難しいケースがあります。
まだ知らない人が多い最新のジャンルや商品を出稿したい場合は、検索ではなく他サイトの閲覧をしているユーザーにアプローチができるディスプレイ広告がおすすめです。コンテンツマッチや関連するキーワード検索からのリターゲティングなどを行い、認知度アップをまずは図るのが効果的です。
Web上のゴール(CV地点)が未設定
オフラインへの送客や電話での予約や注文をするためのリスティング広告出稿は、そのゴールであるCVの効果測定が正確にできません。そのため、リスティング広告の運用や改善を行うための判断基準が得られず、予算策定も難しいのが現状です。
例えば「エステ」やBtoB向けの商材販売などは、WEB内で完結する予約申し込みや資料請求など、WEB上に成果地点を設定することが必要です。
大手ECサイトと競合するサービスや商品
食品やファッション、インテリア雑貨などといった一般ユーザーの生活密着型カテゴリーでは、Amazonや楽天市場などの大手ECサイト内の有力企業が存在します。こうした大手競合の存在は、リスティング広告での上位掲載をするための入札単価を高騰させる要因になります。自社商品との関連性が高くても、キーワード単価が高く、コンバージョンを獲得できても費用対効果が合わないというケースが起こり得るのです。
この場合には、まず大手ECサイトなど始めから集客力があるモールに出店をすることから始めるのがベターです。徐々に固定ユーザーを増やし、認知度を上げてブランド力を向上させていきましょう。
一般的にリスティング広告と相性が悪いとはいえ、改善するべきポイントをしっかり抑えておけば、良い運用ができるようになるはずです。LPの改善だけではなく、販売方法の見直しや、その他WEB広告との関連づけなど、広い視野でWEBマーケティング全体を見てリスティング広告の運用をしていくことが大切です。