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Webマーケティングの施策に活用したい心理効果10選

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私たちは、ある一定の法則にもとづいて行動や判断をしています。そうした人間の心理を知っておくと、Webマーケティングにも役に立つことが多いです。
人はどういう時に、どのように感じるものなのか、今回は売上アップのヒントになる、Webマーケティングに活用したい10の心理効果・法則をご紹介します。

Webマーケティングでもよく見かける10の心理学

ザイオンス効果

『ザイオンス効果』とは、何度も目にしたり聞いたりするものには無意識に好感を抱きやすいという心理効果のこと。ひとつの物事に接触する回数が多ければ多いほど、それに対して親近感を持ってもらいやすくなります。

テレビや雑誌・新聞、駅構内の広告などは、この効果を期待しているマーケティング施策です。普段生活していると自然と同じ商品を何度も見聞きしますので、その商品に親近感や好意を持つようになり、購入につながる可能性が高くなります。

Webでザイオンス効果を活用する場合は、メールマガジンやDMなど「売り」が全面に押し出されていないコミュニケーションを定期的に行うと良いでしょう。

返報性の法則

人は他人から何かしら恩恵を受けると、そのお返しをしようと感じる心理を持つのですが、これを『返報性の法則』といいます。

店頭での試飲や試食などはこの法則によって購入を期待しています。「無料で試食させてもらったから、買ったほうがいいのかな」という心理効果を狙っているのです。
マーケティングに活用すると、無料サンプルを配布したり、無料相談を行ったりすることで、獲得できる見込み顧客数の増加が見込めるでしょう。

初頭効果と親近効果

『初頭効果』とは、最初に見聞きした印象が強く、一番記憶に残りやすいという心理効果のことです。ランディングページでいうと、ファーストビューが該当します。遷移してはじめて目に入るキャッチコピーや画像などに注力しましょうと考えられているのは、この心理効果によるものです。

『親近効果』とは初頭効果とは反対の心理効果を表し、最後に見聞きしたものほど脳に定着しやすいと考えられています。ランディングページでいうと、フッターの申込部分が該当します。
親近効果を意識し、商品のメリットを簡潔に伝えるコンテンツや、分かりやすい価格提示などを見せることで購入を促す効果を発揮します。

以上のことから、Webマーケティングにおいても最初と最後の情報に注力したプロモーションをすることで、見込み顧客を増やすことができるのではないでしょうか。

ただし、親近効果は離脱された場合に効果を発揮しませんので、見込み度の薄い顧客に対しては初頭効果を意識したほうが良いでしょう。
一方で、見込み度の高い顧客層には親近効果の応用が最適です。検討ではなく「購入」「導入」を目的としてサイトに訪れているのであれば、その結論に至る過程を読み飛ばしてしまうかもしれませんので、重要なことを最後のほうで伝えると良いでしょう。

もちろん2つとも上手に利用できれば、相応の効果が期待できますので、状況をしっかりと精査した上で決めてください。

アンカリング効果

人は、何かしらの判断をする際に、先に目にする数字に影響を受け、その数字や情報が判断基準になってしまいます。この心理傾向のことを『アンカリング効果』と呼びます。

ECサイト等でもこの効果を狙った施策をよく見かけます。
例えばある商品の販売価格を「5,000円」とシンプルに提示するのではなく「10,000円→5,000円」と提示しているほうがお得感が増すのではないでしょうか? 安くなっていることを具体的に伝えるほうが、人はお得感を感じやすいのです。
ただし実際の販売実績がない場合にこのような表記を行うと、景品表示法に違反する行為になってしまいますのでご注意ください。

テンション・リダクション効果

人は、重要な決断や行動をする際には、たいてい「緊張」してしまいます。マイホームや車などの高額な買い物をする際も同様です。しかし、買い物を決断した後には緊張が解け、一気に気が緩んで心が無防備な状態になるものです。このような状態を『テンション・リダクション効果』と呼びます。

この心理効果から「慎重に検討して購入を決断した後は財布のヒモも緩みやすい」と考えることも可能です。購買の瞬間を狙って、「こちらの商品もあわせておすすめですよ」と提示すれば、思った以上に簡単に購入に至ってくれるケースが多くみられます。特に高額な商品購入の場合は、効果が顕著に現れます。

バンドワゴン効果

人は、商品購入など何か決断をする際、周りの口コミやトレンドを判断材料にする傾向があります。例えば「これが流行っている」と聞けば、良さそうな商品だという気持ちになりますよね。このような人間の心理を『バンドワゴン効果』と呼びます。

キャッチコピーや広告文に「セレブのあいだで大流行」「口コミで大人気」といった文言を使用することで、見込み顧客をさらに説得できる可能性が高くなるわけです。さらに、商品の販売実績数なども効果的。数値を記載する場合はできるだけ「0」をたくさん並べるほうが印象的でしょう。

松竹梅の法則

松・竹・梅と3パターンの価格が並んでいるケースを想定してみてください。梅が一番安く1,000円、竹が1,500円、松が一番高く2,000円となっていたら、人は無難に竹のメニューを選ぶ傾向が強いと考えられています。これが『松竹梅の法則』です。
この法則を応用することで、複数パターンの価格や商品がある場合には、最も購買を促進したい商品やサービスを真ん中の価格帯にすることで、顧客に選んでもらいやすくすることができます。

ツァイガルニック効果

「続きはWEBで」などとテレビCMでいわれると、ついつい気になってしまいますよね。これも実は心理効果を狙ったマーケティング手法です。『ツァイガルニック効果』と呼ばれる心理効果を応用しています。

ツァイガルニック効果とは「完成品よりも未完成品に人は惹かれる」という心理を表します。ガウディの「サグラダ・ファミリア」などが顕著な例かもしれません。

キュレ―ションメディアなどでもよく見かけるのが「美肌の人がみんな飲んでるのは●●だった」といった表現です。これは、あえて肝心な情報を伏せることで続きの内容が気になってしまう心理を誘うためのものなのです。

カクテルパーティー効果

「自分が興味のある情報や、自分に都合のいい情報のみを選んでそれ以外はシャットアウトする」といった脳の情報処理を効率化するために起きる現象があります。これを『カクテルパーティー効果』といいます。

例えば、人通りの多い街中では、車の音や他人の会話、工事の音などさまざまな音が聞こえてきます。しかし、そんな賑やかな中にいても、自分の名前を呼ばれたり、自分の興味がある会話が聞こえてきたりすると、ちゃんと耳に入ってくるものです。

メールマガジンに顧客の名前を挿入したり、ターゲットを具体的に明記したキャッチコピーや広告文を使用したりするのは、このカクテルパーティー効果を応用しています。

保有効果

人は、一度自分のものにした商品などは、手放したくないと思ってしまう性質をもっています。これを『保有効果』といい、いざ手にしてしまえば入手する前よりも価値を実感したり、愛着を感じたりするのです。

「効果を実感できなかったら返金」といった保証をつけて販売している企業を見かけますが、これは購入を検討している人の心理的なハードルを下げることに効果的です。さらに、「ひとたび手に入れてしまえば、実はほとんど返金を求められない」というデータもあります。

心理学を詳しく学ぶことで施策のヒントが手に入るかも

こうしてみてみると、実は知らないうちに施策として活用しているも多かったのではないでしょうか。
「こうするべき」とは知っていたものの、「それはなぜなのか」を正しく理解しておくことで、今の施策をさらに応用することができるようになるのではないでしょうか。