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リスティング広告におけるアトリビューション分析方法

リスティング広告におけるアトリビューション分析方法のアイキャッチ

アトリビューション分析とは

『アトリビューション分析』とは、広告の、コンバージョン(CV)への貢献度を評価するための分析方法です。

リスティングを長く運用していく中で、CVに直接つながったクリックだけを評価し、予算最適化をしていくと限界が見えてきます。表面的な費用対効果ばかりを意識しすぎてしまい、「最終的にはリスティングと成果報酬型アフィリエイトしか残らなかった」という状況はよく起こりがちなパターンです。

そんな頭打ちな状況の打開策を考えるために、アトリビューション分析は役に立つ手法です。今まで無視していた間接CVは、リスティング効果の最大化にもっと活用できるかもしれません。

アトリビューション分析による広告拡大

ではさっそく、「リスティングの最適化を続け、無駄を省きCPAを理想のラインまで落ち着けることができたものの、拡大ができない」というケースを例に考えていきます。

この状況からCV数の拡大を狙う場合、リスティングの範囲で考えるならばキーとなるのは、ビッグワードを含む一般ワード群です。

「一見、獲得には結びついていないビッグワードでも、間接的にCVに繋がる働きをしているのではないか」という仮説を立ててみましょう。今回は、商品名「ABC」という化粧水を販売する単品通販サイトのリスティングアカウントを例にします。

アトリビューション分析が活躍する状況

ひと言にリスティングといっても、ブランド名や社名などCPAが安価で獲得できるキーワード、CPAが数万円を超えることもある一般的なビッグワードなど、その構成と獲得状況はさまざまです。

目標CPAは5,000円、キーワード「ABC」は実際の獲得CPAが500円、「化粧水」は30,000円で獲得できていたとします。この場合によくやってしまいがちなのが、目標CPAにとうてい見合わない「化粧水」というキーワードをすぐに停止してしまうことです。これにより、「ブランド名検索が減った」「全体のCV数が減った」という状況になった場合、アトリビューション分析が活躍します。

消費行動から仮説を立てる

検索をするユーザーの消費行動は、「①情報収集⇒②比較検討⇒③購入」という3ステップがあることをまず覚えておきましょう。キーワードごとに、①~③それぞれの働きが違うのです。今回立てる仮説は、【CPAが高すぎるキーワード「化粧水」は、CVに貢献しているのかどうか】です。

まず、①キーワード「化粧水」で商品を知り、興味を持ってさらに深く調べようとします。次に②「ABC」「ABC 口コミ」などで興味を持った商品を調べ、他の候補商品と比較・検討をします。最後に購入を決めて③「ABC」「ABC 通販」「ABC 購入」などと検索をして購入に至るのではないか、という仮説です。

「化粧水」では直接CVは狙えないものの、ブランディングや新規獲得の大事な第一歩を担う間接CVとしての働きをしているかもしれません。この仮説をアトリビューション分析するための方法の一つとして、GoogleAnalyticsを活用します。

Google Analyticsで仮説を検証する

GoogleAnalyticsでの確認方法は以下の通り。

「コンバージョン」→「マルチチャネル」→「コンバージョン経路」
プライマリディメンション「参照元/メディアパス」
セカンダリディメンション「キーワードパス」

ここでは、参照元のドメインと併せてCVに至るまでのキーワード経路を辿ることが可能です。上記で立てた仮説を検証するべく、キーワードによるCV経路を確認します。

検証により仮説が正しかった場合

仮説通り、ブランド名検索に繋がる初回接触が「化粧水」などのCPAが合わないビッグワードだった場合は停止せずに継続するべきです。入札単価調整をする、あるいは個別でCV貢献スコアを加味した目標CPAを設定するなど、新たな指標を元に最適化をしていきましょう。

また、「化粧水」が間接CVに作用しているのであれば、このキーワード専用の商品ブランディングのためのLPを用意することも有効です。より興味を持ってもらえるよう、潜在顧客が求めているであろうコンテンツを充実させましょう。

検証により仮説が間違っていた場合

仮説通りにはいかず、別のキーワードが間接的にCV貢献をしていた、もしくはブランド名検索の初回接触だけでCVが完結している場合もあるかと思います。その場合は、「化粧水」は停止、もしくはランディングページの最適化(LPO)や販売価格の見直しが必要になります。

アトリビューション分析における注意点

最後に留意しておいていただきたいのが、「アトリビューション分析は、広告効果を無理やり過大評価するためのものではない」ということです。「何かしらに貢献しているのではないか」と評価を後付し、見合わない予算を使い続けるためではありません。あくまで「広告効果を最大化するため」ということは覚えておきましょう。

リスティング運用結果を確認し、“事前に”立てた仮説通りにユーザーが動いたのかどうかを把握するのがアトリビューション分析です。CVに間接的に貢献しているキーワードを最大限に有効なものにできるよう、この分析方法を活用していきましょう。