リスティング広告でのよくあるマーケティング失敗事例
リスティング広告は、少額の予算から誰でも簡単に始められるので、中小企業や個人オーナーでも気軽に活用できる点がメリットです。その一方で、“なんとなく”始めてしまったばかりに効果を実感できないまま終了してしまうケースも少なくありません。
どのような経緯で失敗に至ったのか、事例を踏まえて改善策をご紹介していきます。
目次
「出したら終わり」で諦めてしまう
リスティングは、運用を経て改善していくものです。たとえ最初は効果が悪くても、配信結果を見ながら改善を重ね、効果を上げていくことができる広告だということをまず認識しておきましょう。
一度リスティング広告を出して、すぐ諦めるという失敗事例は意外と多いです。
あっという間に予算を使い切ってしまう
少額の予算を、「1日や2日であっというまに使い切ってしまった」という失敗は多いです。この失敗事例には、下記のような2つの原因が考えられます。
- ビッグワードに高額入札をした
- 予算設定をしていなかった
1.ビッグワードに高額入札をした
予算が限られている場合は特に、スモールワードを中心にアカウント構成をします。入札単価はアドバイスツールに表示される単価よりも抑えてしまって構いません。実際に配信してみて、表示回数が出ないようであれば少しずつ様子を見ながら引き上げていくのが賢明です。
キーワード別に掲載順位を確認すればだいたい今の入札単価がどれくらいなのかを把握できます。掲載順位が上位にも関わらず表示回数が伸びない場合は、検索ボリュームによる限界なので潔く諦めてしまって問題ありません。
2. 予算設定をしていなかった
予算設定は、キャンペーンごとに金額を決めて必ず忘れずに設定しましょう。ビッグワードや高額入札、あるいはディスプレイ配信のキャンペーンの場合には特に注意が必要です。
入札を抑え過ぎて効果が下がる
効果が合わないからと、入札単価を抑え過ぎてしまっては表示さえされません。PCなら10位以内、スマホなら3~4位以内に収まるギリギリラインまでを抑制の目安にします。それでも効果が改善しない場合は、広告文やキーワード・ページの見直しをします。
費用対効果が合わない
予算をあっというまに消化してしまう場合もそうですが、「求める効果が予算と見合わない」というのは失敗とされるパターンです。
しかし、冒頭でも説明した通りリスティングは運用しながら改善していくべきもの。どんなに悪くても絶対に諦めるなという話ではありません。改善するべきポイントを知り、改善した後の配信結果をしっかり分析していきましょう。
以下によくある失敗事例と、考えられる原因、それに対する改善案をまとめます。
CVは獲得できているが、CPAが高すぎる
CVは若干でも獲得できるものの、獲得効率が悪く費用対効果が合わない場合があります。CVを獲れるところを伸ばし、獲れないところを抑制・除外していくことで効率を上げることができます。
レスポンスを重視しすぎた広告文
目立つように、クリックされるようにと広告文を誇大な表現にしすぎていませんか?
ゴールが例えば“商品購入”なら、敢えて金額を記載しておくことも一手です。クリックしたユーザーの離脱を防ぐために、特に高額商品の場合は商品金額を広告文に記載することを検討しましょう。
キーワードの入札単価が高すぎる
ECサイトは特に、ブランド名以外の一般キーワードで『1位』掲載にこだわる必要はありません。大手企業がブランディングのために上位を占める一般ワードは、1ページ以内(PCなら10位まで、スマホなら3位まで)の掲載を目標にします。
キーワードごとに掲載順位をみながら入札の抑制をしていくことで、全体のCPAは改善できます。
広告ランクが低い
広告のクリック率や入札単価、その他オプションの使用などによって決められる“広告ランク”の存在はご存知でしょうか。
広告ランクが上がると、同じキーワード・同じ掲載順位でもクリックコストが安くなります。コスト抑制のためにランクを上げるには、「クリック率」と「その他オプションの使用」が重要な要素です。
広告文の下に表示されるリンクオプションは、ランクを左右する要素と言われています。クリック率の向上にも繋がりますので、このオプションは必ず活用するようにしましょう。
CVが獲得できない
会員登録や資料請求、商品購入など、CVの定義はさまざま。まずは1件獲得するのにかかる現実的なコストを知っておきたいところです。ただ見守るのではなく、以下に説明するポイントを抑えて改善を図ります。
トラッキングタグが正常に機能していない
タグの設定に不安がある場合は、実際に自分で広告をクリックしてCVしてみることをおすすめします。
キーワード・広告文とLPがマッチしていない
キーワードの選定をする際には、基本的にはLP内から拾うようにしましょう。逆に、LPにはないものの入札したいキーワードがあるなら、LP内にそのワードと関連コンテンツを追加するべきと覚えておきましょう。「キーワード=検索するユーザーの求めるもの」ということを忘れず、遷移した先のページにその答えを用意してあげる気持ちが大切です。
キーワード・広告文・LPの一貫した関連性はランク向上にも必須な要素です。3要素の中でゴールとなるLP内容を軸として、キーワードや広告文は慎重に選びましょう。また入札したいキーワードを軸に、柔軟にLPに変更を加えていくことも有効です。
LPの質が良くない
ページ内のコンテンツは、ユーザーにとって解りやすい魅力的なものになっていますか? 自己満足になっていませんか?
もっとも大切なのは、ターゲットとするユーザーが求めるものに簡潔に応えることです。口コミを掲載したり、販売価格をファーストキャッチに記載したりと、工夫するべきポイントはたくさんあります。
まずは、自分が狙うキーワードで上位掲載している競合ページの分析から始めましょう。