売上UPの基本!カテゴリ設計でECサイトの“接客力”を高める方法
楽天市場やAmazonなどのように、さまざまな商品を取り扱うECサイトでは、 “商品のカテゴリ設計”がとても重要です。実店舗の商品陳列棚と同様で、ユーザーがECサイトへ訪れた際に欲しい商品を探しやすい配置にしておくことは、そのサイトのユーザビリティに直結するからです。また、最適なカテゴリ設計はSEO対策にも重要な役割を果たします。
今回は、ECサイトの売上アップのためには無視できない、商品のカテゴリ設計のコツについてお話します。
ECサイトにおける“カテゴリ設計”が重要な理由とは
たとえば自分が初めて訪れたECサイトに検索バーしかなかった場合、あなたはどのような印象を持つでしょうか。「ずばりこの商品が欲しい」と目的が明確で、商品名も知っている場合であれば問題はないかもしれません。ですが、なんとなくふらりとECサイトへ訪れて欲しいものを探そうとしているユーザーは、間違いなく即離脱してしまうことでしょう。商品をもともと知っていて買いに来るユーザーにとっても、分かりやすい店内(ECサイト内)の方がお客様に親切な印象を与えます。
カテゴリ設計はお客様のためを考えて行うべきですので、カテゴリの分類はあくまで顧客目線で考えなければなりません。売り手の管理などの都合では売上アップに繋げることは難しいでしょう。自社のECサイトで販売する商品たちは、「どのような動機づけで購入に至るのか」「どういった言葉を連想しながら商品を探すのか」などといったお客様の購入に至るまでの背景を考えることが第一ステップとなります。
お客様に喜ばれるカテゴリ設計のコツ
カテゴリは大分類・中分類・小分類と、徐々に細かいカテゴリに分かれていくことが理想です。そうすることで訪れたユーザーが商品を探しやすくなる道筋をつくることができます。カテゴリ名は誰もが分かるものを選び、初めて訪れたどのユーザーにとっても「どこに何がありそうか」を明確にしておくことが大切です。商品探し自体が楽しく感じられるECサイトであればユーザーは自然と長居をしてくれますし、リピートや他商品の「ついで買い」にも繋がる可能性が高くなります。
まず大分類カテゴリに分ける際には、一般的に馴染みがある言葉で、かつ具体的なカテゴリ名を選びます。事前に雑誌や実店舗が使用している棚の表現、検索する際のキーワードなどをチェックしておくことでスムーズな大分類カテゴリ名をイメージすることができます。
さらに、中分類・小分類とさらに細かいカテゴリに分けていくわけですが、「種類別」「用途別」「メーカー別」「ブランド別」「価格別」など、一本道ではなく複数の掛け合わせカテゴリがあるとなお良いでしょう。
例えば、贈りもの用に利用するユーザーが多いECサイトがあるとします。贈りものとはいえ、「お歳暮」「出産祝い」「父の日」などその目的はさまざまに存在します。この場合は、まず目的別に大分類を分け、続いて「予算別」「商品カテゴリ別」といった、あらゆる目線でカテゴリを分けてあげるのが親切です。
また、アパレルを販売するECサイトであれば、まずは「男性」「女性」「子供」と大分類カテゴリを分けた後に、「ブランド別」や「価格帯」「カラー」「サイズ」などもあると理想です。
さらにプラスであると良いのは、「売れ筋商品」「人気ランキング」「トレンドアイテム」などの特集カテゴリです。こういったカテゴリは、できるだけファーストビューなどパッと目に入りやすいページの上部に配置しておくのがおすすめです。他にも「店長いちおし」「アウトレットコーナー」などもユーザーの興味を引ける可能性が高いと言われています。
カテゴリ設計のSEOへの影響
カテゴリ設計を正しく行っているページは、掛け合わせキーワードの流入ページになる可能性があります。例えば、先に挙げたギフトECサイトの例でいうと「出産祝い タオルケット」という検索キーワードに対し「出産祝い用のタオルケット」カテゴリページに誘導できるのです。
こうしたカテゴリの分類は、ロングテールワードとも呼ばれる購入率の高い検索キーワードからの流入を増やすチャンスなのです。このSEOの効果を意識し、カテゴリ名は慎重に選ぶことが大切です。中分類や小分類など更に細かくカテゴリを分けておくことで、さらに幅広い検索キーワードへの対策ができるようになります。
もし自分が初めて訪れるユーザーであったら……この目線で一度自社のECサイトでショッピングをしてみると、新しい発見があるかもしれません。
「ここでこういう絞り込み機能があれば良かったのに」というユーザーボイスは、売上アップのための重要なヒントです。つい面倒で簡素に済ませてしまいがちなカテゴリ設計ですが、この機会に自社ECサイトの「接客力」を改めて見直してみてはいかがでしょうか。