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【ECサイトのキホン】顧客分析に役立つ「CRM」とは?

CRMとは、“Customer(顧客) Relationship(関係) Management(管理)”の略です。

握手して関係をつくる

ECサイトのLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)を最大限に伸ばし、新規獲得を伸ばすことを目的とします。ECサイトにおけるCRMは、顧客ひとりひとりに合った“きめ細かい接客サービス”を提供していくことと言えるでしょう。

ECサイトのCRM向上に必要となるデータ

CRM対策を実施する上で、必要なのは顧客データの収集・分析です。年齢・性別・住居などの個人情報だけでなく、ひとりひとりの顧客満足度を上げるためのデータが必要になります。

・どの商品を購入したのか?
・購入時の金額は?
・購入した経路は?(メルマガ・広告・電話など)
・商品のどのような点が気に入って購入に至ったのか?
・購入商品に対する評価は?クレームなどないか
・リピートはあったのか、リピート購入する頻度とタイミングは?

このように、ひとりの顧客に対し分析するべき項目は数多くあります。すべてを完璧に実行することは難しいため、優先順位をつけて項目を絞るべきです。

既存顧客とのコミュニケーションを充実させるために

ECサイトでは、一度購入してくれた顧客に対してのリピート施策や情報提供のため、メールマガジンやDMを送ります。では、メールマガジンやDMを送る際に全顧客へ同じ内容を提供することは効率的と言えるのでしょうか。

顧客によって購入商品は同じでも、お試しサンプルや本商品・定期便など規格が異なります。お試し商品と定期便では、顧客の意識や目的も異なってくるでしょう。これらをリスト分けすることで、メールやDMの情報を内容を分けることが可能となります。

※すべて1回目の購入(新規顧客)の場合で考えます。

お試しサンプル購入
意識:商品に興味を持ったユーザー
アプローチ:本商品や定期便をおすすめする情報本商品購入(定期便もある場合)
意識:まずはしっかり試してしてみたい、自分のペースで使用したいユーザー
アプローチ:本商品のお得な限定キャンペーンや定期便のおすすめ情報

本商品購入(定期便がない場合)
意識:商品を信頼して使用している可能性があるユーザー
アプローチ:本商品のお得な限定キャンペーンや商品の使い方のポイント情報

定期便申し込み
意識:目的が明確で、長く使用する意識がある顧客
アプローチ:顧客の目的をサポートするための有益な情報

それぞれのリストに合った情報を提供することで、顧客ひとりひとりの満足度を上げることが出来るはずです。コミュニケーションのタイミングは、商品の消費目安に合わせて第1回目を設定します。結果として効率的な売上アップに繋がり、DM制作などの無駄なコストを削減することにもなるのです。

コミュニケーションを適切なタイミングで行うために

もう購入の意思がないのに何度も頻繁に届くメールマガジンは、顧客にとってストレスになります。逆に、よく購入をするから定期的にメールが届くと助かるという顧客もいます。

顧客ひとりひとりの購入のタイミングに寄り添うアプローチのために、ECサイトがするべきこととは何なのか。それは、”いつ”、”何回”、”どのくらいの頻度で” 購入しているのかを顧客別に把握することです。

a.頻繁に購入する顧客
b.3か月に1度ペースで購入する顧客
c.1度購入したきりの顧客

注意するべきは、cの”新規/休眠”リストです。1度だけ購入した顧客でも、最近なのか、3年前なのかでリストの役割は大きく変わります。新規か、休眠かを識別できるよう購入データを管理し、定期的に更新していく必要があります。

aは”優良”、bは”準優良”、cは”新規/休眠”と、設定期間は企業によってそれぞれですが、顧客をカテゴリ分けして管理します。各カテゴリに適切なタイミングでメールを送ることで、顧客にストレスを与えずにコミュニケーションをとることが可能になります。
カテゴリにあった戦略を準備し、効率的なアプローチをすることでコスト削減・売上アップに繋がるのです。

ただ、カテゴリだけで管理することには注意が必要です。こちらは今後説明したいと思います。

顧客の金銭感覚に合ったサービス提供をするために

顧客によって、商品金額の捉え方は様々です。1回の購入金額に着目した顧客データを分析することで、顧客ひとりひとりの金銭感覚に合うサービス金額で商品を提供することができます。

限定キャンペーンやセール時にしか購入しない顧客もいれば、安売りをしなくても購入してくれる顧客もいることでしょう。顧客ごとの平均購入金額を見ると、ひとりひとりの傾向がつかめます。
売上を作りたいからと、やみくもに安売りを続けていくとブランド力が落ちてしまいます。定価で購入してくれている顧客には、手厚いアフターフォローを忘れずに、継続していきましょう。

a.セールなど、購入金額が定価よりも下回る時に購入
b.(いつも)定価で購入

aのリストにはまず、単価がお得な“まとめ売り”を勧めてみると良いでしょう。商品を気に入ってくれている顧客ならば、反応が比較的あるはずです。反応がなかった場合、主にアウトレット商品や新商品の紹介などのコミュニケーション用リストということになります。
bのリストには、頻繁に安売りを提供しないことでブランド力を維持することができます。”売る”ためではなく、”楽しんでもらう”ためのコンテンツを提供します。年に数度のセール情報などは、bリストこそ”優良顧客”ですので日頃の感謝の気持ちを込めて送ります。

まとめ

CRM戦略は、顧客目線の買いやすさ・続けやすさを第一に考えます。ECサイトの売上アップのために、ということを先に考えてはいけないのです。あくまで”結果として”、売り上げが伸びるショップを作るための戦略ということを忘れてはいけません。
顧客の満足度を、ひとりひとりに合った形で築いていくことが大切です。