購買意欲を高める「商品写真」撮影の5つのコツ
当然のことですが、ECサイトの売上を上げていくにはさまざまな工夫が必要です。いくら集客のために広告費を使っても、受け皿であるECサイトがお客様のためにしっかりと整っていなければ、お客様がサイトに訪れたとしてもすぐに帰ってしまいます。
商品力自体はもちろんのこと、サイトのユーザビリティや価格設定など、あらゆる顧客目線で自社のECサイトを俯瞰的に捉えて改善していくことが大切です。
今回はこうした数あるポイントの中でも、意外と軽視されがちな「商品写真」のポイントについてお話します。
実際に商品画像を変更しただけでコンバージョン率が改善した事例も少なくありません。消費者が欲しいと思える商品写真を撮るコツをおさえて、売上アップを目指しましょう。
目次
商品写真撮影時におさえておきたいポイント5選
アイテムごとに用意する写真を工夫する
販売する商品によって、ユーザーが求める写真には違いがあります。「商品写真には商品情報が求められている」ということを忘れず、顧客の立場で想像してみましょう。
以下に、さまざまな商品カテゴリごとに異なるポイントの一部をご紹介します。
アパレル関連であれば、写真だけでは伝わりにくい素材感や色合いを正確に伝えることが大切です。また実際にモデルが着用している写真も重要です。外国人のスタイル抜群のモデルが着用している写真ではなく、自分が着たら…というイメージを膨らませやすいモデルが着用している写真のほうが購入しやすいと思われるはずです。
次にインテリア雑貨の場合、正面だけではなくあらゆる角度からの写真、そしてその雑貨がある生活空間がイメージできるコーディネイト写真も添えると良いでしょう。
食品系であれば、「シズル感」がとても大切です。シズル感とは、食欲や購買意欲をかきたてるような食品の「新鮮さ」や「瑞々しさ」のことを指します。商品撮影の際には、霧吹きで水をかけるなどして保湿するだけでも写真の雰囲気がぐっと良くなります。
最後にサプリメント等の健康食品においても素材になっている食材を並べたり、サプリメントの粒をアート風に散らしてみたりと工夫は必要です。パッとユーザーの目に入る商品写真は、シンプルに「オシャレ感」がある完成度の高いもののほうが印象的で魅かれやすいのです。
自然光をうまく利用する
ECサイト運営のひとつとして、商品写真の撮影はプロのカメラマンに頼らず自社で撮影をするケースも少なくないでしょう。
そんな時に便利なのが「自然光」だと言われています。実は、照明を調整しなければならない屋内撮影は素人には難しいとされています。普段からあまり撮影に慣れていない方などは、窓際などの自然光が当たる場所で撮影がおすすめです。自然光が特に当たる時間帯、正午から午後早めの時間に撮影をすることでクオリティの高い撮影が可能です。
商品の下や背面には“白”より“シルバー”を選ぶ
商品撮影の際、商品の下や背面によく使用するのが白い紙です。しかし、よりきれいに撮影するためには、背景にテカリの少ないシルバーを用いることがおすすめです。白い紙ですと、商品自体に白が映り込んでしまったり、光の加減によって白がくすんでグレーに見えてしまうことがあります。シルバーはギラギラと反射が強く撮影しづらいイメージがありますが、テカリの少ないシルバーであれば映り込みも減り、明るいレフ板の効果も発揮します。
商品の置き方にひと工夫
2次元的に商品をただ置くだけでは、無機質で魅力的には見えません。
「影がつくように撮影する」「前後に少しずらして置いてみる」など平面の写真画像にも「奥行き」や「動き」を意識することが大切です。例えば瓶など重さがある商品を撮る際は、クッションに布をかけたものに置いて撮るのがおすすめです。商品の重みで自然と程良いシワが寄り、それが立体感を演出してくれます。
写真加工アプリの使用は控える
今やSNSなどの投稿には当たり前となっている写真加工アプリなどは、ECサイトの商品写真には使わないのがベターです。見た目にオシャレ感は出るものの、「偽っている感」が出てしまうからです。ユーザーが写真を加工していることに気が付けば、商品の本質に不安を感じてしまう可能性が出てきます。
商品撮影をする際は「シンプルで分かりやすい」「実物に正直」であることを意識しましょう。
商品写真はネットショッピングのカギ
ECサイトでは、商品写真がユーザーの購買行動を決めるといっても過言ではありません。そもそもECサイトに商品写真が必要なのは、ユーザーが商品を実際に見ることができないからです。もともと店舗等で見て知っている商品であればいいですが、ECサイトで初めて知って、目にする商品は写真の存在がいかに重要か、すぐにお分かりいただけることでしょう。
ECサイトにおいては、ユーザーが知りたいはずの「どんな商品なのか」という情報は、商品写真から得るところが大きいということです。つまり、商品画像がECサイトの売上を大きく左右するということも言えるでしょう。実際に、消費者がECサイトで購入に至らなかった理由として「情報が不十分」「曖昧な商品情報」などが全体の20%にも及んだとのデータもあります。
ECサイトは特に、広告バナーやサイト内のコンテンツ云々よりもすぐに高い改善効果を発揮する可能性が高いのが、商品写真なのです。
若年層を中心にインスタグラムなどで欲しい商品を画像検索することが当たり前になりつつある今、ECサイトの商品写真にもクオリティや接客力が求められています。きれいな写真に見慣れたインターネットユーザーを逃さないためにも、ポイントをおさえた接客力のある商品写真でお客様を迎えることが大切です。