人工的に作り出せない造形が魅力! 鉱物の美しさ
原石をキレイに磨かれて作られた宝石は眩いばかりの煌めきがあり、昔から多くの人々を魅了してきました。ダイヤモンドやルビー・サファイア・アメジスト・エメラルドなどこれらの宝石を使ったジュエリーの輝きは類を見ないものがあります。
けれどその元となる鉱物に、あまり目を向けられることがありません。
自然のなかで果てしない時間の結果生み出されたものだからこそ、知られざる魅力が詰まっているのです。
あまり鉱物に馴染みがない方も、この機会に鉱物の美しさや魅力に触れてもらえたら幸いです。
鉱物の美しさ
全てが個性となる
基本的に発掘された状態のまま私たちが目にすることができる鉱物。
普段、日常生活で「割れやすいため扱いに気をつけなければいけないもの」や「不純物が入っているもの」は、効率的ではなかったり、見た目が美しくないなどの理由からあえて必要とされません。
しかし、鉱物は違います。
傷つきやすさや脆さ、輝き、不純物の有無全てが個性となり魅力となるのです。
シンプルさ
キレイに化学組成を書き表せるそのシンプルな成り立ちも美しいと感じます。
生物や植物は食物連鎖という生態系のなかで生きていきます。人間も他者との繋がりなく生きていくことは不可能といえるでしょう。
けれど、鉱物は他のものと切り離された状態で単独に存在することができます。
また、化学式にて書き表される構造を主にして、偶然入り込んだ要素はすべて不純物と見なすシンプルな潔さも、強引であると同時にその美しさを支えています。
価値観を反映する
鉱物を鑑定する時は、モース硬度(こすり合わせたときの傷つきやすさ)やへき開(割れ方)などから、その石が何かを判断します。
見た目のキレイさだけなど人間が一方的に定めた価値観だけによって、その存在価値が決まるわけではありません。
また、一緒にミネラルショーなどの鉱物即売会に行ったりすると、その人の価値観なども垣間見られたりするのです。たとえば、論理的に話す友人は意外にスピリチュアル的な考えを大切にしていて、ラピスラズリに金が入ったものを選んだりします。スピリチュアルの面から見ると金が入っているのが良いとのこと。
このように、普段では知りえない一面を知ることができるのです。
造形の不思議さ
鉱物のなかには、脆いのに信じられないくらい細かい形状を保っているものがあります。
たとえばオーケナイトは、別名「ウサギの尻尾」ともいわれるほど見た目がフワフワとしている鉱物なのです。見た目からはとても石とは思えない形状です。
また「愚者の黄金」ともいわれる黄鉄鉱は、人工的に作られたかのような美しい立方体をしています。自然から産出されたと聞くと不格好なものを思い浮かべがちですが、まるで計測したかのような四角い形を私たちに見せてくれるのです。
奥が深く、自然の偉大さに触れることができる鉱物。
一度その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。