Googleアナリティクスで一部のディレクトリのみ共有する方法
Googleアナリティクスのデータは、社内やお客さまや業者と共有することは意外に多いもの。共有時には、アクセスできるアカウントの追加やエクスポートで共有することが多いのではないでしょうか。
しかし、サイトのデータをすべて見せるのが難しいという場合もあります。こういった時、一部のディレクトリのみ共有するという方法があります。機密保持やセキュリティの関係でニーズはあるのですが、その方法はあまり知られていません。
今回は、Googleアナリティクスの一部データのみ共有する方法について、その手順をご紹介していきます。
目次
アクセス情報の共有は必須!
アクセス解析のツールとして、Googleアナリティクス(Google Analytics)を活用している方は多いことでしょう。Googleアナリティクスでわかるのは、ウェブサイトやLPのアクセスデータです。PVやセッション、直帰率など、ウェブ施策にとっては欠くことのできない重要なデータが見られます。
ウェブ制作やウェブマーケティングの現場では、こういったアクセスデータのやり取りが日常的に行われています。そこで必要になるのが、データの共有。社内外で、Googleアナリティクスで得られたデータをシェアします。
アクセス情報を共有する方法は複数ありますが、ディレクトリを限定して共有する方法についてご紹介していきましょう。社外関係者とのやり取りでは、機密保持やセキュリティの都合で全てのデータを共有できないケースがあります。そういった場面では、特定のディレクトリのみ共有するなどの対策が重要。ぜひ活用していただければと思います。
トラッキングコードを分ける方法
Googleアナリティクスは、アクセス分析の対象サイトのトラッキングコードを目印にして行っています。この方法では、ページごとにトラッキングコードを分けることで、共有する情報を分けていきます。
Googleアナリティクスでの設定はほとんどないのですが、HTMLの知識が必要になります。
(1)トラッキングコードを取得する
トラッキングコードを作成するには、新しくプロパティを作成する必要があります。社内用のプロパティが一つと、共有用のプロパティが一つできることになります。トップページから「アナリティクス設定」をクリックしてください。
アナリティクス設定の画面が表示されました。画面真ん中から、プロパティを選択するドロップボックスをクリックします。「新しいプロパティを作成」を選択しましょう。
プロパティの作成画面が表示されました。必要事項を入力し、「トラッキング ID を取得」ボタンを選択。
トラッキングコードが表示されたでしょうか。このトラッキングコードが、共有用のものです。
(2)トラッキングコードを共有用ページに埋め込む
次に、上で作成した共有用のトラッキングコードを、該当するページに埋め込みます。共有対象のページのHTMLファイルをひらき、headタグ内にペーストしましょう。共有対象のページ全てにペーストすることを忘れないようにしてください。
なお、一つのページに複数のトラッキングIDを設定することは可能なのですが、少しカスタマイズが必要です。複数のトラッキングIDを設定したい場合は、Google公式のヘルプを参照してください。
ビューを分ける方法
方法1では、共有する部分とそうでない部分とで、プロパティを分けました。こちらではプロパティではなく、ビューを分ける方法をご紹介します。HTMLファイルを編集する必要がないので、実施者がノンプログラマの場合におすすめな方法です。
(1)ビューを複製する
まずは、現在のビュー(社内用)を複製しましょう。さきほどと同様の手順で、Googleアナリティクスの設定画面をひらいてください。画面の右上にある「ビュー設定」をクリックします。
ビューの設定画面が表示されました。画面の右上に「ビューをコピー」ボタンがあります。クリックしてください。
表示された画面にて、新しいビューの名称を入力し「ビューをコピー」を選択。これで、ビューの複製が完了です。
(2)フィルタを設定する
もともとのビューは、サイト全てのデータを見るためのものでした。複製したビューは共有用なので、限定したデータのみ見られるよう制限をかけましょう。フィルタという機能を使っていきます。
※なお、フィルタは一度かけてしまうと元に戻すことができません。フィルタをかけていないビューを別途残しておくことを忘れないようにしてください。
Googleアナリティクスの設定画面をひらいてください。複製したビューを選択した状態で、「フィルタ」をクリックします。
フィルタ一覧が表示されました。まだ複製しただけなので、フィルタがありません。「+ フィルタを追加」ボタンを選択しましょう。
フィルタの作成画面がひらきました。フィルタ名やフィルタの種類を入力・選択し、「保存」をクリック。共有用のフィルタが作成されました。これで、新しく作成したビューにフィルタがかかりました。
(3)ビューを共有する
最後に、作成したビューを共有しましょう。共有用のビューを選択した状態で、「ユーザー管理」を選択してください。
「権限を付与するユーザー」欄に、ビューを共有したいユーザーを入力。権限を選択して、「追加」をクリック。これで完了です。
カスタムレポートを利用する方法
3つ目の方法は、カスタムレポートを使って、共有したいデータだけエクスポートする方法です。共有対象のユーザーはGoogleアナリティクスにログインできないため、セキュリティ面では最も安全な方法と言えるでしょう。
カスタムレポートの詳細な作り方については、ここでは省略させていただきます。
(1)カスタムレポートを作成する
まずは、エクスポートするデータを用意しなければいけません。方法2と同様に共有用のビューを作ってもいいのですが、カスタムレポートを利用した方法で進めていきましょう。Googleアナリティクスのトップページから、「カスタム」を選択します。
カスタムレポートの一覧が表示されました。ページ上部から、「+ 新しいカスタムレポート」を選択します。
共有したいデータのみを含むカスタムレポートを作成し、「保存」をクリック。エクスポートの準備が完了しました。
(2)エクスポートする
あとは、共有したいデータをエクスポートするだけです。人力でエクスポートしていると大変なので、メール自動送信を利用しましょう。共有用のカスタムレポートを表示した状態で、画面上の「メール」を選択します。
表示されたダイアログで、共有先の宛先やファイル形式、自動送信する頻度を選択。「送信」ボタンをクリックすれば、共有の設定が完了です。なお共有を行う期間は、「詳細オプション」にある「有効期間」から指定します。1ヶ月から12ヶ月の中から選択することが可能です。
あとがき
ウェブ施策を効果的に進めていくためにも、アクセスデータの適切な共有は欠かせません。3通りの方法をご紹介しましたが、状況に合わせて使い分けてください。