リスティング最前線「プレミアムポジション」の重要性
『プレミアムポジション』とは、Googleアドワ―ズやYAHOO!プロモ―ション広告といったリスティング広告の、検索結果上部に表示される広告枠のことです。
自然検索(SEO)部分よりも上、目立つ位置に表示されることから、競合性も高く入札単価も高めなのが特徴です。キーワードにもよりますが、多い時で上位3~4位までがプレミアムポジションに表示されます。この度、Googleアドワ―ズでは右側の表示枠を廃止し、今まで以上にプレミアムポジションに掲載することの重要性が高くなりました。今回は、プレミアムポジションのメリット・デメリットから考える戦略についてお話します。
目次
プレミアムポジションのメリット
クリック率が圧倒的に高い
検索ユーザーにとって検索結果上で一番目立つのは、リスティング広告の上部です。プレミアムポジションである1~4位と、それ以下の枠(5~10位)では、平均クリック率(CTR)が約6倍も違うと言われています。
サイトリンクオプション表示が可能
『サイトリンクオプション』とは、プレミアムポジションに広告が掲載された場合にのみ、広告文の下部に掲載できるサイト内の他ページリンクです。ランディングページ(LP)のみではなく、「お客様の声」や「Q&A」など追加の情報を見せることができる機能です。
サイトリンクの表示により、クリック率や画面占有率、品質スコアが上がります。
1つの広告原稿プラスαの情報を掲載できるため、ユーザーの興味を惹き付けることができます。その結果として、通常よりもクリック率が向上する傾向にあるのです。
また、リスティング広告を表示できるスペースは限られており、サイトリンクが表示されるだけで画面の占有率が上がります。
よりユーザーの目につきやすくするために、サイトリンクオプションは必ず設定しておきましょう。
プレミアムポジションのデメリット
入札単価が高騰しがち
競合が多いキーワード市場では、4枠という限られたプレミアムポジションに掲載するために、入札単価をかなり高くしているケースが多いです。ブランディング予算を確保できる企業であれば問題ないですが、費用対効果にこだわらなければならない企業にはハードルが高い場合も少なくありません。
コンバージョンに繋がるとは限らない
クリック率の高いプレミアムポジションに表示されても、常にコンバージョンに繋がるとは限りません。予算に限りがあったり、目標CPAを厳しく設定している場合、コンバージョンに繋がらないクリックは極力抑える必要が出てきます。
プレミアムポジションの特徴から考える戦略
プレミアムポジションの掲載コストを下げる
入札単価の高騰がネックになっている場合、『広告ランク』を向上させることにより、クリック単価を引き下げる戦略が有効です。
リスティング広告の掲載順位は、広告の評価である『広告ランク』によって決められています。
【広告ランク=入札単価×品質スコア×その他(表示オプションの使用など)】
広告ランクを上げるためには、具体的にまず「入札単価の引き上げ」と「品質スコアの向上」を目指します。
【品質スコア=クリック率×広告との関連性×リンク先ページのユーザビリティ】
検索クエリとユーザーのニーズに合わせた広告文の作成がキーポイントになります。アカウント設計の際には、キーワードごとに広告文には細かなマッチポイントを持たせるようにしましょう。リンク先のページコンテンツやユーザビリティも常に最適化を繰り返す必要があります。
インバウンドマーケティングを強化
競合がひしめくビッグワード市場では、検索ユーザーの目的も漠然としたものが多い傾向にあります。つまり、「ビッグワード検索結果で興味を引き、次の検索へと誘導するための広告出稿」と捉えることができれば、間接コンバージョンとしての働きを評価することができるのです。
あくまで情報収集をしているだけの段階である検索ユーザーは、検索結果内のあらゆるリンクをクリックする傾向があります。ファーストタッチのリスティング広告ではコンバージョンに繋がらなくても、その後の自然検索結果内でも同じ商品を目にすれば、ユーザーは興味を持つはずです。
具体的には、SEOアフィリエイトサイトへの掲載やブログ掲載、公式SNSのコンテンツ配信などを強化します。
リスティング広告と連動したビッグキーワード市場を狙ったアフィリエイト掲載は非常に有効です。ビッグワードのSEOは、アフィリエイターが上位を占めているケースが多いため、まずはどんなサイトが上位なのか、どのASPからの出稿が可能なのか、報酬単価は…など、さまざまな調査をしましょう。
商品リスト広告の可能性
最後に、Googleアドワ―ズで右側広告枠が廃止された今、引き続き右側に表示される『商品リスト広告』に注目が集まりつつあります。
商品画像つきで表示される『商品リスト広告』は、今や右側に表示される唯一の広告です。検索連動広告と比較するとクリック単価も安く、画像も表示される点はメリットです。リスティング広告枠の廃止により、今後さらにクリック率が上がっていくことが期待されています。
Googleショッピングとの連動が必要なため、今はまだ出稿している広告主が多くはありません。つまり、競合性も低く、今が狙い時というわけです。『Google Merchant Center 』というツールから、csvで商品情報をアップするなど、手間のかかるものではありますが、早い段階からのチャレンジはしておいて損はないかもしれません