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ビジネスにユーザーエクスペリエンス(UX)が必要なワケ
『ユーザーエクスペリエンス(UX)』とは、日本語に訳すと「ユーザー体験」を意味します。
「ユーザーが商品(サービス)によって得られる体験」を指していて、使い勝手、「面白い」「楽しい」などの感情的ベネフィット、そして満足感などの総称がUXです。
本来はWebデザイナーや制作の人間が意識するものですが、近年になってビジネス全般において注目されているのが『ユーザーエクスペリエンス(UX)』なのです。
UXをビジネス戦略の軸にすれば、顧客にとって「本当に良いもの」が提供できるはずです。ともすれば、UX自体をビジネスにすることも可能になるでしょう。では、今回は『ユーザーエクスペリエンス(UX)』がビジネスに必要な理由と、その可能性についてご紹介します。
UXこそがヒットのカギをにぎる
世間一般的に“ヒットしている”商品やサービスには、共通したUXが存在します。成功している企業やブランドは、ユーザーや顧客にとって「魅力的な利用体験」を提供しているのです。
例えば、海外リゾートへ旅行にいった際、国内では120~130円で買うことのできるソフトドリンクが高額な料金で販売されています。しかし、「南国の眺めが良いテラス席にいる」というだけで、コスパが悪いジュースでも味わい深く感じるものです。それは、空間や雰囲気など素敵なUXがあるからこそではないでしょうか。
成功ビジネス例に頻出するスターバックスコーヒーもまた、「くつろげる空間=UX」を提供しています。コーヒーだけではなく、UXにもこだわりを見せているからこそ多くのユーザーに愛されているのでしょう。
商品やサービス自体のスペックや効果・性能だけで選ぶ時代は過ぎ、今では利用する際に「どんな体験ができるか」を具体的に見せてあげられるかどうかが成功のカギをにぎっているのです。ユーザーは商品自体にだけお金を払うのではなく、”エクスペリエンス”にその価値を見いだそうとするようになったといるでしょう。
WebサイトにおけるUXとは
次は、WebサイトのUXを考えてみます。「ユーザー」とは、そのWebサイトを利用する人、つまりこの場合のUXは「ユーザーがWebサイトで体験すること」という定義になります。Webディレクターや制作だけでなく、Web企画やマーケティング担当も注目するべきUXを改善することで、ユーザーにとってより良いWebサイトができあがっていくはずです。
商品(サービス)の良さをアピールするだけではなく、その商品を使うことでどんな体験ができるのかをユーザーに見せてあげられるか、体験してもらえるかどうかが重要です。
WebサイトにおいてもUXが注目されるようになった理由の1つに、スマートフォンなどのモバイル端末の普及が挙げられます。スマートフォンはPCと比べて画面は小さく、タッチ操作も片手で行うことが多いため、より快適な操作性が求められるようになりました。
『AISAS』にみるUX戦略
Web上での消費行動プロセスの仮説に、『AISAS』というものがあります。
- 「Attention」…ユーザーが知るきっかけ
- 「Interest」…ユーザーが興味をもつ
- 「Search」…ユーザーが検索する
- 「Action」…ユーザーが購入する
- 「Share」…ユーザーが情報を共有する
AISASにおいては、「Search(検索)」と「Share(情報共有)」が購入を決める特に重要な要素といます。
まずは検索におけるUXからみていきます。一般的にユーザーは、あるキーワードで検索をした結果、最初に閲覧するWebページに自分が必要としている情報があるかどうかを瞬時に判断するといわれています。通常は「離脱率」や「直帰率」といった指標で示されるのがこれに当たります。
ユーザーが瞬時に「何を」判断するのかを考え、必要なのは単なる情報だけではないという仮説を立てた時、具体的なUX戦略はみてくるはずです。「みやすさ」「目にみる世界観」「商品体験をいかに瞬時に膨らませられるか」など、ファーストインプレッションをいかに残せるかが重要になってきます。
どんなUXがターゲットユーザーに合うのか、求められているのかは、ユーザー行動から読み取る必要があります。分析やテストを繰り返しながら改善していきましょう。
UXのゴールはユーザーとビジネスに共通する
UX戦略が目指すゴールは、見込みも含む顧客が、商品(サービス)を通して得ることができる“体験”です。それは企業やブランドがもつべき商品のブランディングや、理想のコミュニケーションイメージに直結しているはずです。成功する企業というものは、「ユーザーのためを思ってやったら“結果的に”ヒットした」と口をそろえていいます。それすなわち、ユーザーのためを第一に考え、正しいUXを実現できたビジネスこそ成功するということになるでしょう。
「使いやすい」「分かりやすい」「体験している自分が容易に想像できる」
そんな顧客目線の要素を、顧客の目線に合わせた見せ方ができれば、あらゆるビジネスが成功への道を歩んでいけるのではないでしょうか。