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新たな映像体験を楽しめる最近の映画2選

映画館のスクリーン
テレビで放送されている映画などを観ていると、「昔これ見たことあるかも」と小さな頃の記憶が揺り起こされることがあります。
見ているうちに「このストーリー知ってるな」と徐々に思い出すこともあれば、登場人物の些細な台詞がきっかけとなって一気に記憶が蘇ることも。
逆に、印象的な画やシーンだけを覚えていて、もう一度見たいけど、内容もタイトルも思い出せないというパターンも少なくありません。

絵画のように美しいカットや印象的なお芝居、全身の血肉が湧き立つような凄まじいアクション、これまでに見たことのない斬新な演出などは、内容とは関係なしに鮮明に記憶に残るもの。
そこで今回は、最近上映された映画の中で、一度見たら絶対に忘れられない映像体験をさせてくれる作品をご紹介します。

『Mommy』 2015年日本公開

『Mommy』は、『マイ・マザー』『わたしはロランス』などを手掛けた監督、グザヴィエ・ドランの作品です。
「母と子」をテーマに、ADHDの青年スティーブとその母ダイアン、2人の向かいの家に住むカイラの3人の関わりを描き、2014年カンヌ国際映画祭において審査員特別賞を受賞しています。
1:1のアスペクト比で上映されたことでも話題となったこの作品、あるタイミングでそのアスペクト比が変化するのです。
興味を持った方は、できるだけ大きな画面で、部屋を暗くして、胸を抉るようなストーリーに没頭しながら見てください。登場人物の心を、画面の中だけではなく、画面のサイズをも使って表現したカットに大きく心を揺さぶられることは間違いありません。

『バクマン。』 2015年公開

『バクマン。』は、2008年から2012年にかけてジャンプで連載された同名の漫画を実写化した作品です。監督は『モテキ』や『恋の渦』の大根仁。
漫画家を目指す2人の高校生・真城最高と高木秋人が週刊少年ジャンプでの連載を勝ち取り、漫画家として活動していく姿を描きます。
この映画の見どころは、“漫画”を使った演出の数々。
プロジェクションマッピングを利用した漫画制作シーンが話題となりましたが、その他にも漫画を使ったスタイリッシュな演出が豊富に散りばめられています。
シーンの移り変わりや、登場人物の心情表現にまで粋な方法で取り入れられる“漫画”を使った演出。鑑賞後、その圧倒的なセンスと発想力に謎の敗北感を抱く方は少なくないのではないでしょうか。

近年公開された映画の中で、“記憶に残る新しい映像表現”が味わえるものをご紹介いたしました。
映画を観る際に必要なのは、スクリーンに投影された映像とスピーカーから発せられる音というたった2つの要素。しかし、その映像と音には、数え切れないほど多くの要素が詰め込まれています。
一生記憶に残るような、心の琴線に触れる映像に出会ったときの感動は計り知れないもの。
盛り込んだり削ぎ落としたり、さまざまな方法で表現された映像作品の世界を存分に楽しんでいきたいですね。