ホーム > Webマーケティング情報 >
Google「右側広告枠廃止」の影響とweb担当者が今後考慮すべきこと
2016年2月にGoogle検索は、今まで検索結果に表示されていた「画面右側の広告枠」を廃止したのはご存知でしょうか。現在では、検索の上部と下部に表示される広告枠のみの仕様になりました。今回の大幅な変更は、モバイル端末がPCやタブレットの検索を上回った状況を背景に、モバイル端末との統合化を図ったものと言われています。
では、この変更がもたらす影響にはどのようなものがあるのでしょうか。今後考慮すべきWeb戦略のヒントと合わせて説明していきます。
目次
変更後の広告表示はどうなるのか
Google検索結果のこれまでは、「上部」「右側」「下部」の3か所に広告表示枠がありました。今回、右側の表示枠がなくなり、それまで右側にあった広告掲載順位は下部へと移動しました。
「プレミア枠」とも呼ばれる上部には、これまで3枠の広告が表示されていましたが、競合が多い、もしくは検索ボリュームが大きいキーワードに関しては、最大で4枠の広告表示ができるようになっています。また、『商品リスト広告(PLA広告)』と呼ばれる、画像つきのGoogleショッピング広告は引き続き右側に表示されます。
右側広告枠廃止の影響
右側広告枠を狙っていたECサイトほど影響が大きい
今回の変更から受ける影響は、特にECサイトなどの出稿企業には大きいのではないかと考えられています。プレミア枠と呼ばれる上部掲載ではCPAが見合わず、入札額を抑えて右側上位(4~5位)をあえてキープしていたECサイトの出稿企業は多いです。
右側広告枠が廃止されたことによって、競合の多いビッグワードへの入札は「上位掲載を狙うべきか」「潔く諦めるべきか」の選択を迫られることになります。上位掲載を狙う競合たちの入札合戦によるCPCの高騰も既に一部で起きています。
これは変更直後の一時的な現象とは見られているものの、キーワードの見直しが必要になることは必至です。
モバイル市場の成長に気付く機会になったのかも
ですが、そもそもGoogle右側広告のクリック率が低下していたことは、今回の廃止要因の1つではあります。実際、4~5位をキープしていたアカウントにおける右側広告枠廃止後のインプレッション数やクリック数の減少率は、10%以下というデータがあるほどです。
今回の変更で、あらゆる企業がスマホ市場の急成長に気づかされたのではないでしょうか。今後は「Google=スマホ市場」と捉え、それに合わせたアカウントの再設計を始める良い機会とも言えます。
GoogleとYAHOOの使い分けがポイント
今回の変更によって「問い合わせや注文件数が減少した」と感じる企業は実際に出てきています。従来の運用戦略のままでは、今後リスティング広告にかけられる予算にも限界が見えてくるかもしれません。Google検索においては、自社サイトのSEO対策や、アフィリエイトSEOサイト掲載の強化が必要になってくるでしょう。
また、引き続き右側広告が表示されるYAHOO!リスティングでは、スマホがやはり伸びているとはいえ、今でもPC利用ユーザーが多いのが特徴です。
特に一般ビッグワードの単体などは、情報収集をしたいユーザーがPCで検索することが多く、ビッグワード市場から新規顧客を獲得する場合、Googleよりも期待値が大きいと言えます。
今後は、「Google=スマホ市場」に対し「YAHOO=PC(※一般ビッグワード)」という使い分けが重要になってくることが予想されます。例えば「YAHOOのPCビッグワード検索によって情報を得て、後にGoogleスマホで購入に至る」というケースが増えるかもしれません。
そうなれば、Googleと間接CVの役割を果たすYAHOOでは、別の目標設定が必要になるのは明確です。2つの検索エンジンを別々の役割を果たす1つの検索市場戦略として捉え、それぞれの特徴に合わせた運用戦略を立てるべきでしょう。
絞り込んだキーワード市場戦略
Googleリスティングは今後、キーワードの取捨選択が必要との可能性をお話しました。
上位掲載のために入札単価を上げても継続したいキーワードに関しては、その検索につながるインバウンドマーケティングの強化も大切です。
たとえばSNSのハッシュタグ、記事コンテンツの訴求軸、そして口コミなどを、検索してほしいキーワードに合わせた内容で用意しておくのです。インバウンド戦略によって、コストをかけるキーワードの検索数を伸ばし、リスティング広告の獲得効率を上げる、そういった戦略も今後は必要になってくるはずです。