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「コンテンツマーケティング」と「オウンドメディア」の違いを説明できる?

先日会議をしていた時、「オウンドメディアってなに?」という話題がでました。

疑問エフライトではコンテンツマーケティング支援をメインに取り扱っていますが、オウンドメディア構築支援にも更に力を入れていきたいという話題になった時のことです。

何を今更という感じでしたが、改めて質問と説明を繰り返すうち「そういえば自分たちが今使っている『オウンドメディア』という言葉は、元々の意味と違う」ということに気付きました。

そこで改めて「オウンドメディアとは何か」「コンテンツマーケティングとは何か」という基本的な疑問に正面から向かう記事を書きました。混同されがちな「コンテンツマーケティング」と「オウンドメディア」は何が違うのかについても説明していきます。

Web担当者の方でも、これらの言葉が曖昧になっている方は多いと思いますが、この記事がその1つの答えになれば幸いです。

読むのが面倒でしたら、最後の「まとめ」だけでも一応分かるかとは思います。

オウンドメディアってなに?

まずは辞書で本来の定義を知るところから。

オウンド‐メディア【owned media】
《自らが所有するメディアの意》企業が消費者に向けて発信するメディア。自社発行の広報誌やパンフレット、インターネットの自社サイトなど。自社メディア。→ペイドメディア →アーンドメディア※goo辞書より引用

ネット上だけでなく紙媒体などもオウンドメディアの1つ、というのは意外に思われる方も多いのではないでしょうか。かく言う僕自身も「そういやそうだった」と認識から半分ずり落ちていた部分を拾い上げました。

ちなみにオウンドメディアはいわゆる「トリプルメディア」の1つです。引用の中にも記載されていますが、他に「ペイドメディア」と「アーンドメディア」というものがあります。

ペイド‐メディア【paid media】
《料金を支払って利用するメディアの意》商品を宣伝するための広告枠をもつメディア。新聞・雑誌・テレビ・ラジオや、リスティング広告枠のあるウェブサイトなど。
アーンド‐メディア【earned media】
《信頼や評判を獲得するメディアの意》商品やサービスを広告としてではなく、口コミで紹介するブログやSNSのこと。※goo辞書より引用

今回は詳しく説明しませんが、トリプルメディアとは2010年頃から広まったマーケティングのフレームワークの1つ。ものすごく単純に書くと「3つの異なった特徴を持つメディアを上手く運用してマーケティングを行うべし」というものです。
それぞれの得意分野としては以下のようなものになります。

オウンドメディア……潜在層の開拓、ブランディング
アーンドメディア……双方向のコミュニケーション
ペイドメディア………認知拡大、即効性のある集客

ちなみにトリプルメディアは2010年から2013年頃まで重要視されていたフレームワークでしたが、最近では以前ほど重要視はされていないように感じます。

「オウンドメディアとは」の結論

トリプルメディアのうちの1つで、自社が所有するメディアのこと。

寄り道してしまいましたが、説明は一行で済みますね。
オウンドメディアは非常に範囲の広いメディアです。媒体は問いませんし、その形態も自社で運営しているものであればすべてがオウンドメディアとなります。

狭義でのオウンドメディアとは

最近では狭義で「自社サイトとは別に立ち上げる、自社サービスを前面に押し出さない情報発信メディア」として使われることが多くなっています。実際にさまざまな企業が「オウンドメディア構築」といった単語でリスティングをかけるなど、注目を集めるサービスとなっています。

冒頭で触れたように、エフライト内部でもこちらの意味で「オウンドメディア」とすることが増えています。そのため2つの意味でオウンドメディアという単語が使われるようになり、一時的な混乱をきたしたわけです。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングは辞書に記載が無かったので、エフライトのサービスページでも引用している文章を引用します。

新規・潜在顧客の区別なく、ユーザー全体に対してコンテンツを提供して 購買に結びつけるマーケティング手法のことを 「コンテンツマーケティング」「コンテンツSEO」と呼びます。
※参考:日本経済新聞・日経MJ Web Marketing 2014年2月19日記事

コンテンツマーケティングの場合は、メディアを問わず「コンテンツを配信する」というマーケティングのフレームワークの1つです。

「コンテンツマーケティング」と「オウンドメディア」の違い

単純に「マーケティング手法」と「メディア」であるため、本来この2つは競合するものではありません。コンテンツの配信先はオウンドメディアであっても良いですし、ペイドメディアやアーンドメディアであっても構いません。

ただ、狭義でのオウンドメディアを考えた場合、オウンドメディアはコンテンツマーケティングにとっても狭義の存在となります。

コンテンツマーケティング
メディアを問わず、コンテンツを配信するマーケティング手法オウンドメディア
新規サイトを立ち上げ、コンテンツを配信するマーケティング手法

狭義でのオウンドメディアの強みとは

狭義のオウンドメディアの強みは、既存サイトの影響を受けないというものです。

コンテンツマーケティングをECサイトで行う場合や、過去にコーポレートサイトがペナルティを受けたことがある場合などは、コンテンツを配信してもGoogleから評価されにくいことがあります。新規サイトの場合はこれらのマイナス要素をもたない状態からスタートできるため、コーポレートサイトなどと切り離して運用するメリットがあります。

他にもスタート時に存在するデメリットとして、下記のような要素があります。

新規サイト立ち上げにより排除できるデメリット
・サイトの構造からコンテンツのディレクトリが下層になってしまう
・サイトの構造からコンテンツまでのリンク回数が多くなってしまう
・分析時の要素が増えるためコンテンツの効果がより計測しにくくなる
・コーポレートサイトなどでは運営側も「ユーザー目線」を徹底しにくい
・一部タグに制約がかかってしまうことがある

要するに、コンテンツだけの結果が出やすくなる&分かりやすくなるのが狭義の「オウンドメディア」の強みです。

とはいえ、中には逆に元々のサイトの力により、コンテンツマーケティングが成功しやすいということもありますので、一概にメリットだけがあるというわけではありません。
運営中の自社サイトを考えた時に、どちらの方がよりマーケティングとして優れているかを考えるのは重要です。

まとめ

オウンドメディアは「自社が運営するメディア」という意味ですが、狭義で「新規サイトであり、自社サービスを強く推さない情報発信メディア」という使われ方が増えています。

コンテンツマーケティングは「コンテンツを配信するマーケティング手法」のことなので、オウンドメディアという「メディア」とは競合しません。

ただ、コンテンツマーケティングの配信先として、狭義の「オウンドメディア」を考えることは、昨今のコンテンツマーケティングで必要なこととなっています。