悲しみと憎しみ、ショッキングな犯人の実像。私たちは日々そんな出来事を目にし、やり過ごしていきます。2時間サスペンスドラマの話ですが……。
犯人の動機、そこに至るストーリーの裏側などこの手のドラマは観始めると最後の結末がどうしても気になってしまいます。
各局の新作が夜の時間帯に放映される一方、再放送物がBSのチャンネルで午後の時間帯に放送され、テレビ欄には毎日のように2時間サスペンスドラマのタイトルが載っています。
なぜこれほどまでに2時間サスペンスドラマは人々から求められているのでしょうか。そして私たちはこうしたストーリーから何を学べるのか。視聴者である私が2時間サスペンスドラマについての考察を展開します。
目次
2時間サスペンスドラマの見どころは
■安定感のある演技
2時間サスペンスドラマに欠かせない俳優の安定感ある演技が、ときにシリアスに、ときに喜劇へとドラマの方向性を導いてくれます。困難な状態に陥っても、「ドラマの主人公である彼らならきっと解決してくれる」。観ている側はそう思えるはずです。
■意外なキャスティングにも注目
それに加えて意外なキャスティングも、2時間サスペンスドラマの見どころです。元アイドルから一時期の売れっ子タレントまで、多種多様な役者たちがドラマの重要な役柄を演じていることもあります。そんなキャスティングにも興味がそそられることでしょう。
犯人の動機のパターンは?
2時間サスペンスドラマは事件が起き、そこからストーリーが始まるものです。犯人が事件を起こす動機は2つに分けられるといっていいでしょう。
■怨恨型
「被害者が憎かった」
いわゆる恨みがあるといったパターンです。恨みの理由はさまざまですが、たまに「誰かを守るため」といった動機の場合もあります。こうした動機で犯行をおかした場合、犯人の扱いが急転直下で悪者から善人に変わることもしばしば。最後には視聴者の同情を買って、最後は納得させられる結末になることがあります。
■私利私欲型
「会社などの汚職を隠すために……」
政治家、企業経営者、やさぐれ者などが犯人の場合に起こりやすいパターンです。己の欲望のために他者を傷つけ罪を犯すというもの。全く同情の余地がありません。悪を暴く人物が不正を突き詰め、最後にはすべての悪だくみを明かすことによって視聴者は快感を得ることができるものです。いわゆる「勧善懲悪」のストーリー展開と言われるもの。
犯人の手口のパターンは?
サスペンスドラマにおいては、犯人がどのように被害者に対する手口も、見どころのひとつだと言えます。巧妙なものから衝動的なものまで、その手口はさまざまです。
■首を絞める
密室で相手の背後に迫り、ひもで首を絞めるものです。いとも簡単にやってのけるように見えます。女性が男性に対して犯行をおかすときにもよく使われます。
■突き落とす
ひと気のない橋の上や、建物の上からなど相手のすきを見て突き落とすパターンです。印象では犯行をおかした犯人の弱みに付け込んだ人物が、ゆすろうとするも、口封じのために逆襲されるというパターンが多いように思えます。
■もみ合っているうちに頭を打つ
トラブル間にある相手ともみ合っているうちに相手が転倒し、打ち所が悪くて……というケースです。あっけない最期を迎えるように見えます。また転倒した後、階段から落下という場合も見られます。
まとめ
2時間サスペンスドラマでは、被害者が一人にとどまらないのが定石です。共犯者や目撃者から弱みを握られ、加害者が自分の保身に走り、新たな罪を犯すようになるのです。
「自分の立場を守りたい」「金銭などへの欲求」
そんな理由で新たな罪を重ねていきます。人間とはそういうものなのかもしれません。
憎悪や私利私欲での咄嗟の衝動が一生を台無しにする。その現実を視聴者は目にします。
こんな状況がいつ自分の目の前に訪れるかわかりません。私たちは2時間サスペンスドラマからそんな人間の差し迫った心理の動きを学び、こうならないように登場人物を反面教師として日々生きるべきではないでしょうか。