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すでにナイジェリアの“救世主”? 『イエス高須』院長

ナイジェリアの国旗を振る群衆

世界から注目される71歳の日本人

現在ブラジルのリオで開催しているオリンピックで、日本人の活躍が目立っている。
体操の個人総合で史上4人目の連覇を果たした内村航平、出産やケガといった数々のハードルを乗り越え、女子個人レスリング58キロ級で4連覇を成し遂げた伊調馨などだ。

そうしたなか、ある“71歳の日本人男性”が世界のメディアで取り沙汰された。
その男の名は高須克弥、「YES! 高須クリニック」でおなじみの医院の長だ。
高須氏は、資金難で苦しむナイジェリアのサッカー五輪代表に約4000万円もの寄付を行った。この博愛に満ちた行為が、全世界から注目を集めているのだ。

苦難の連続だったナイジェリア

ナイジェリアの男子サッカーは、リオ五輪が始まる前から踏んだり蹴ったりの連続だった。メンバー選考の段階で、主力とみられていたFWアレックス・イウォビ(アーセナル/イングランド)、FWケレチ・イヘアナチョ(マンチェスター・シティ/イングランド)、DFケネス・オメルオ(カスムパシャ/トルコ)といった選手たちの招集に失敗した。

その後日本でも大きく報じられたが、初戦の日本戦を迎える前にも大きなトラブルが発生する。約7時間前にブラジルへと到着するという大きな試練にぶちあたったのだ。強行軍となった日本戦では、キックオフ前の国歌斉唱で同じアフリカ大陸に位置するニジェールの国歌(ベネズエラやガボンの国歌だという説もある)と間違えられる苦難に遭うも、5-4というスコアで見事に勝利を収めた。
次戦のスウェーデン戦も1-0で制し、決勝トーナメント進出を決めたナイジェリアは大きな障害を乗り越えてチームが一丸となったかのように見えた。しかし、ナイジェリアの最大の試練はここからだった……。

ナイジェリアのサッカー五輪代表を率いるサムソン・シアシア監督が、突如記者会見で準々決勝のデンマーク戦でのボイコットを示唆。ナイジェリアサッカー協会と同国スポーツ庁が選手たちやスタッフに対して、滞在費や移動費・給与などを未払いにしている現状を公開し、シアシア監督は「もう疲れた」と苦しい心境を吐露したのだ。

1件のツイートから実現したナイジェリアへの寄付

ナイジェリアのボイコット騒動を聞いた高須氏は、1件のツイートを残す。ナイジェリアサッカー協会に対する同情を綴り、同国代表の「不屈の精神が好き」という理由でスポンサーになることを表明した。これにナイジェリアのサッカー協会副会長と親交のある日本人・加藤明拓氏が反応。高須氏は加藤氏の協力を得て、数日のうちにナイジェリアの選手たちやスタッフへの寄付する了承を得た。

話題に事欠かない高須氏

高須氏は早速ブラジルへと渡る。道中、ツイッター上で堀江貴文氏と『ポケモンGO』で盛り上がる様を見せたり、シアシア監督に対して「ベッドコーチ(ヘッドコーチ=監督)」という誤変換したりして世間に話題を振りまいた。到着後の空港でもメディアに対して、札束を見せつけるという豪快なパフォーマンスを披露し注目を集めていく。

ナイジェリアの大使館に到着した後も、ナイジェリア大統領が起きるまで待つという、諸葛亮孔明に「三顧の礼」を尽くした劉備玄徳のような振る舞いを見せ、シアシア監督と同国のスポーツ大臣に仲直りの握手をさせる「薩長同盟」を結んだ坂本竜馬のごとき活躍を見せた。

こうした高須氏の博愛に満ちた行動は、実を結ぶことになる。ナイジェリアは、3位決定戦でホンジュラスを3-2で破り銅メダル獲得という結果を出した。何度もアクシデントに巻き込まれながらも障害を乗り越えていくナイジェリアの姿は、まさに高須氏が表現した「不屈の精神」を見せつけたと言えるだろう。

ナイジェリアの救世主となった高須氏

今回の騒動を、売名行為だと見る人も少なくない。しかし、高須氏はこれまでにも震災復興やアイスホッケー女子日本代表チームへの支援を行ってきた過去がある。ただ「注目が集まったナイジェリアに寄付を行った」という短絡的な行動ではないように私は思える。
何より博愛精神と行動力を見せた高須氏には、すでにナイジェリアの方々からSNSを通して多くの感謝のメッセージが寄せられている。
いわば、高須氏はナイジェリアにとっての「救世主」となっているのだ。もしかしたら、ナイジェリア国内のサッカー好きの中では、すでにこう呼ばれているかもしれない。

「イエス高須(クリニック)」と……。