BtoC企業はコンテンツマーケティングが重要であることは当たり前になってきています。それはBtoB企業にも同じことが言えます。しかし現状で取り組んでいる企業はすくないでしょう。
そこで今回は、なぜBtoB企業にとって重要なのか、その理由やメリットを分かりやすく紹介していきます。
目次
コンテンツマーケティングとは何なのか?
まずはBtoB企業におけるコンテンツマーケティングの重要性を知る前に、コンテンツマーケティングのことを知っておきましょう。
コンテンツマーケティングとは2000年ごろにアメリカで生れたマーケティング手法です。
具体的にいうとブログやSEOを意識した記事の制作・発信をとおして、サイトへの集客(ブランド認知)、見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連のマーケティング手法です。
現代ではインターネットが普及しており、例えパソコンがなくてもスマートフォンなどから誰でも情報を仕入れることができる時代になっています。そのため消費者は「選ぶこと」が自由にできるため、その中から選んでもらうために、まず自社商品を知ってもらうことが重要になります。
BtoB企業とBtoC企業のコンテンツマーケティングの違い
BtoBは企業相手にサービスを行う企業のことですが、BtoCは一般の消費者に向けてサービスを行う企業です。「良いサービスや商品だとアピールして購入してもらう」という意味では同じですが、相手が企業か一般消費者なのかで大きくコンテンツマーケティングの手法が変わります。
①BtoB企業のコンテンツマーケティング
BtoB企業は、取引相手が企業のため、感情だけでは取引をすることはあまりありません。また動く金額も大きいので、双方に大きなメリットがなければ取引を続けることは困難です。
そのため、契約に至るまでには、「合理的なのか」「メリットがあるか」などの問題提起を行い、会議などを経て決定されることになります。
また、企業が相手であれば、決定権をもつ人数が多くなります。一般消費者のように1人を納得させるだけではなく、多くの企業の場合、担当者やその上司、経営者などそれぞれの承認が必要になります。
そのため多くの人納得させるためには、いかに価値があるか、合理的か、販売したいモノやサービスそのものを理論的にアピールできるかが重要になります。
②BtoC企業のコンテンツマーケティング
BtoC企業もBtoB企業と同じく、記事の制作・発信をとおして、サイトへの集客を行い、最終的にはファンとして定着させることを目的としています。しかしBtoCは個人がターゲットになるので、ターゲット層が欲している情報を提供し、いかに感情や興味を引くことができるかが大事になります。
そのため、ターゲットのニーズにあった情報が提供できれば、BtoBよりも短期間で購入や契約に至ります。
また、決定権は個人に委ねられているためアプローチしやすいという特徴もあります。
BtoB企業もコンテンツマーケティングが必要な理由
①ライバルが少ない
日本ではコンテンツマーケティングを取り入れているBtoB企業は少ないですが、コンテンツマーケティングの先進国でもあるアメリカでは、実にBtoB企業の90%以上がコンテンツマーケティングに取り組んでいるとも言われており、その効果の大きさが分かります。
そのことから、今後取り入れる企業が多くなることが予想されるため、いち早く始めた方がアクセスも伸び、マーケティング効果もそのぶん大きくなります。
②営業スタイルの変化
現代では簡単に情報が手に入るため、相手企業は情報収集を自ら行い、すでに競合と比較されている可能性があります。そのため、競合他社よりも有益な情報を発信し続ければ、自然とニーズの育成に繋がります。
また、価値がある情報が提供できれば、サービスへの理解が深まり、契約までの期間が短くなる可能性があります。
③価格よりも品質
世の中には同じサービスや製品を取り扱う企業がたくさんあります。その場合、他社と差別化するためには、価格を下げることが多いと思います。しかし価格をさげるにも限界があります。
そうならないためには価格以外の価値をアピールする必要があります。自社の強みを価値あるコンテンツとして継続的に配信をできれば、企業の持つ悩みの解消やニーズの充足が行われ、価格よりも品質で選ばれるようになります。
BtoB企業がコンテンツマーケティングを利用するメリット
日本ではまだBtoB企業におけるコンテンツマーケティングは盛んではありません。そのため早く始めた方がアクセス数も稼げることとなり、その先にある取引などもしやすいといえます。
また、専門性の高い分野であれば競合相手も少なくなりますし、発信する情報1つでも大きな効果となることがあります。
①資産化
企業間では営業をして取引を契約させることも多いですが、営業活動には当然人件費がかかりますが、成果がでるとは限りません。特に新たな顧客を掴むのは難しく、顧客獲得のために時間を割くことは必然です。
しかしWEBページなどであれば半永久的にマーケティングに使えるという大きなメリットがあります。
②獲得窓口の拡大
コンテンツとしてWEBページを利用することで最初の窓口を広げることができます。またユーザーがWEBページを閲覧し、そこから資料請求や問い合わせをするという流れも作ることができるようになります。
すると興味のある企業からのみアクションがあるため、無駄な時間や手間がかかりにくくなります。
③費用回収
マーケティングには大きな費用がかかるのが一般的で、特にBtoC企業は単価が低いため売上が少額となり、資金の回収に時間がかかることもあります。
しかしBtoB企業の取引は金額が大きくなりやすいためマーケティングにかかった費用も回収しやすくなっています。
BtoB企業がコンテンツマーケティングを成功させるためのコツ
コンテンツマーケティングはwebマーケティングの1つなので、他のマーケティング同様しっかりと計画を練ることが大事です。
そのためにはコンテンツマーケティングがどういった施策なのか、どのようなメリットがあるのか、社内で共通認識を持つ必要があります。社内で認識の違いがあると、方向性を見失ってしまったり、効果が出ずに終わってしまう可能性もあります。また、コンテンツマーケティングは短期的な施策ではないので、目標を立てる際には、中長期的に細かく区切って比較するようにしましょう。実際にどのような点に気をつけて運用していけばいいのかご紹介します。
①ペルソナ設定
BtoC企業同様、BtoB企業でもペルソナ設定はコンテンツマーケティングを始めるうえで、最も重要な要素になります。
まずは対象となる企業(ターゲット)がどういったものを求めているのか、どう行動をとるのかなどを考えていきましょう。ペルソナ設定が大雑把すぎると効果が薄くなります。そのため万人に受けるコンテンツよりも、ある程度ターゲットを絞って設定する必要があります。
②カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップとは、顧客(クライアント)の購買までの動きを可視化したものです。設定したペルソナがどのような行動を経て購入するのかを可視化することができるため、社内で共通認識を持つことができ、コンテンツの方向性が変わらずに配信することができます。
しかしいつまでも同じカスタマージャーニーマップを使ってしまうと顧客とのズレが生じるため、定期的に見直ししましょう。
③他の施策と組み合わせる
コンテンツマーケティングはコンテンツを制作して、配信したら終わりではありません。いかにたくさんの人に読んでもらい、興味をもってもらうかが重要です。
そのためにはSNSを活用したり、メルマガ配信などをして、まずは人の目に触れるような環境作りをしましょう。特にSNSは安価で始めることができ、運用も難しくないのでコンテンツマーケティングを始める際は、SNSの企業アカウントも一緒に取得してみてはいかがでしょうか。
④外注を使う
コンテンツマーケティングを行う前に、社内のリソースを確認しましょう。コンテンツマーケティングはある一定数を定期的に発信しなければいけません。例えば、発信が不定期になってしまったり、話のネタが尽きてしまうと更新までの間隔が長くなり、効果が薄くなります。しかしコンテンツ制作を外注することで、配信の遅れや配信忘れなど防ぐことが可能です。
また、コンテンツマーケティングのプロに頼むことで、ノウハウや運用方法などを学ぶことができます。社内で少しでも不安がある場合は、外注先と一緒に始めてみるのも一つの手でしょう。
まとめ
BtoB企業におけるコンテンツマーケティングは今後ますます重要になってくるといわれています。
インターネットが普及し情報やモノが溢れている世の中なので、ある意味当然の流れなのかもしれません。しかし情報が膨大になればなるほど、より質のいいコンテンツが必要になります。
コンテンツマーケティングは低コストで運用ができるため、質のいいコンテンツが配信できれば低コストで、営業活動の手助けになるでしょう。しかし質のいいコンテンツが配信ができなかった場合は、宣伝効果はほとんどなく、全く意味のないものとなってしまいます。
そうならないためにもペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作成しっかり行い、計画を立てて結果をみながら改善をしていきましょう。
SEOを意識することは当たり前ですが、ユーザーが興味をもつ、もっと詳しく知りたいと思わせることが重要です。